レンタル彼氏 。
真央が買ってきてくれたのは
イチゴのショートケーキと
ガトーショコラ 。
両方私の大好物
「 いちご!いちごだ !!」
はしゃいでから気づく。
子供みたいだったよね、
赤くなる頬 。
恥ずかしい。
「 いちご 好きだもんな 」
ふはっと赤くなった私を見て笑う。
「 ねぇ、なんで私がいちごが好きって
知ってるの ? 」
何気なく聞いた私の言葉で
真央の顔色が変わった。
それまで微笑をたたえていた口元は
きゅっと噛み締められ、
私を見つめていたその瞳は
私から逸らされていた 。
「 あ ~ 」
ばつが悪そうに声を出す。
無言が気まずくて、話題を変えた。
「 ま、いいけど!
いちごのケーキ食べていい? 」
そう聞くと真央の表情はさっきに戻り、
どっちもゆあのだよ、って微笑んだ。
「 え 、真央も食べようよ 」
はじめはいいって行ってた真央も
私が真央が食べないなら私もって言ったら
しぶしぶ頷いてくれた。
ケーキなんていつぶりだろう
そう考えるとなんだか幸せだなって
思ってきて自然と顔がほころんだ。
「 なにニヤついてんの、 」
って突っ込まれたけど気にしない
目の前に座っている真央は
バカなやつ、とまた笑った。
きゅん、と笑顔に締め付けられる胸。
はっとしてダメダメ、と心から真央を
追い出す。
私は涼太が好きだから。
なのになんで他の人に
きゅんきゅん してるの。
自分で自分が不思議 。
目の前の真央を見ると
「 さっきからお前の顔ころころ
変わるんだけど。 」
って笑われた。
今日は幸せな私の誕生日でした 。