レンタル彼氏 。
はじめまして 。
「 え !? 」
いきなり傾いた箱に
押し倒された私、 めちゃくちゃ重い 。
仰向けに倒れた 私の首元になんか違和感…
もふもふする ……
「 ん …… 」
!?!?
声 !?
びっくりして下敷きになった
体をねじり脱出する私 。
怖い ! なに !?
体制を整えた私 。
「 …… 。 」
信じられないものを見ました 。
生きてきて初めて見た、こんな光景 。
なんと、
倒れた箱から
男の人がはみ出していました。
状況がうまく飲み込めない 。
うん、おかしいよね?
本当に 彼氏 が送られてきちゃった 。
せ、生存確認しよう 。
お掃除用のモップを手に取り持ち手で
頭をツンツンしてみる 。
うん、ふわふわだ 。
綺麗な真っ黒な髪に、
少し癖のある後ろ髪。
程よく筋肉がついた肩が
わずかに上下している。
あ、生きてる …
「 ん…… 」
眠りから覚めたようで、
目の前の男の人はゆっくりと
上体を起こした 。
い、いけめん 。
切れ長で、吸い込まれそうな瞳。
少し薄い唇 。
黒いだぼだぼした上着から覗く
浮き出た鎖骨 。
キョロキョロと辺りを見回した男の人は
ぼーっと私を見つめた後、ゆっくりと
口を開いた 。