ミチオ
気にせず、私は目を閉じたまま風を匂いを音を感じる。


カシャカシャカシャと聞こえるシャッター音。


それでも私は何も反応しないしそっちを見る事もしない。


本当は直ぐにでもこの目で確かめたいのに。


だってなんか悔しいじゃない?


向こうだって何も言わず勝手にシャッター切ってんだもん。


フツー、聞くでしょ?


撮っていいいですか?とかさ。


親しき仲にも礼儀ありだよ?


その間も子供達のはしゃぐ声の合間に聞こえるシャッター音。


だけど、、、


あー、もう、限界。


「ちょっと、なんか言いなさいよ。」


遂にシャッター音が聞こえる方を見るとまたパシャリ。


「聞いてんの?何も言わず勝手にパシャパシャ失礼じゃない?」


なのに…


それでも答えることもせずカメラを構えたままだ。


腹立つ…


そっちがその気なら…


私はスッとベンチから立ち上がるとカメラの主に背を向けてもと来た道を歩き始めた。


すると、


「ねぇ、どこに行きたいの?」


って、あの時と同じ声が背中に響いた。












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