ミチオ
それ以来、カレのところに行くことはなかった。


一言、電話で「もう付き合えない」ってだけ伝えてその後直ぐに電話番号も消したし、着キョにもしたよ。


思い描いていたスタートラインには立てなかったけど、私なりに精算したつもり。


不思議な事にカレとは完全に終わったけれど、たまたま道案内してくれたミチオとはその後もなんどか会った。


どちらからともなく、なんとなく会って一緒に散歩したり、図書館に行ったり。


一緒にいてて何となく気付いたんだけど、ミチオは道案内が上手いってこと。


道に迷ってそうな人を見つけるのが上手いってこと。


私に声を掛けてきたみたいにミチオは今日も道案内してた。


道に迷ってるおばあさんを見つけて。


だから私はミチオって呼ぶの。


道案内が得意なミチオ。


ミチオにどうしてそう呼ぶのかって理由も話したら


「悪くないね。」


って言って嬉しそうに笑ってた。











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