ミチオ
ミチオは時々、考え込むことがある。
普段のほとんどはぼぉっとしてるんだけど、たまにそんな風になることがあるの。
それでね、こんな事を言ったりする。
ーーーー知っている事と知っているような事を知っているのは違うよって。
「意味分かんない。」
ナゾナゾじゃないんだからさ。
「ほら、あれ。」
ミチオが指差す先には大きな入道雲が。
「雲?」
「あの雲の上ってどんなのか分かる?」
「あの雲の上?うーん、飛行機に乗った時に見た事あるよ。」
何度か飛行機に乗ったことあるし、想像はつく。
「ふーん、見た事あるんだ。僕はないんだ。」
「そうなの?」
「ああ、高い所は苦手だから飛行機に乗っても常に寝てるから。」
ミチオが高所恐怖症だなんて知らなかった。
まぁ、ミチオの大抵の事、知らないんだけど。
「凄く綺麗なんだよ。まるで雲の海みたいで。」
初めて飛行機の窓からそれを見た時の事を思い出しながら私はどうやったらそれが伝えられるか一生懸命言葉を探した。
「うん、よくわかった。何となく想像つくよ。でもさ、」
「でも?」
「結局のところ、やっぱり自分の目で見なきゃ知った事にはならないんだよね。」
そういってミチオは大きな入道雲を見上げた。
だけどその目は雲よりももっともっとずっと上を見ている気がした。
普段のほとんどはぼぉっとしてるんだけど、たまにそんな風になることがあるの。
それでね、こんな事を言ったりする。
ーーーー知っている事と知っているような事を知っているのは違うよって。
「意味分かんない。」
ナゾナゾじゃないんだからさ。
「ほら、あれ。」
ミチオが指差す先には大きな入道雲が。
「雲?」
「あの雲の上ってどんなのか分かる?」
「あの雲の上?うーん、飛行機に乗った時に見た事あるよ。」
何度か飛行機に乗ったことあるし、想像はつく。
「ふーん、見た事あるんだ。僕はないんだ。」
「そうなの?」
「ああ、高い所は苦手だから飛行機に乗っても常に寝てるから。」
ミチオが高所恐怖症だなんて知らなかった。
まぁ、ミチオの大抵の事、知らないんだけど。
「凄く綺麗なんだよ。まるで雲の海みたいで。」
初めて飛行機の窓からそれを見た時の事を思い出しながら私はどうやったらそれが伝えられるか一生懸命言葉を探した。
「うん、よくわかった。何となく想像つくよ。でもさ、」
「でも?」
「結局のところ、やっぱり自分の目で見なきゃ知った事にはならないんだよね。」
そういってミチオは大きな入道雲を見上げた。
だけどその目は雲よりももっともっとずっと上を見ている気がした。