羽根のゆくさき
あさ
病院の朝は、冷たく暗い。
壁は真っ白で輝いているし、朝日だって暖かくこの部屋にあるはずなのに─────
なんでだろう。
あぁ、家に帰りたい。
自分のベッドで、自分のお気に入りのぬいぐるみたちに囲まれながら、明日を楽しみにして眠りにつきたい。
勉強だって、…普通ならやりたくないことなのかもしれないけど、私にとってはしたくて仕方ないくらいの存在だ。
⋯でも、ここじゃ無理。
明日が来ないで欲しい、と願い、
今日が終わらないで欲しい、と願う、こんな場所じゃ。