あの春、君と出逢ったこと
『今度はちゃんと4人だねぇ!』
快斗君を見てそう言って豪快に笑った食堂のおばちゃんに、快斗君が苦笑いを返す。
順番が回ってきた私たちに、食堂のおばちゃんがくれたオムライスの乗ったトレイを持って、指定された席に座る。
『やっと貰えたぜ』
目の前に置かれたオムライスを輝いた目で見つめながら、快斗君がそう言って、勢いよくオムライスを頬張る。
『うっめー!!』
そう叫んだ快斗君の口の中に勢いよくオムライスが吸い込まれていくのを、唖然としながら眺める。
だって、掃除機なみに速いんだよ?
どうやったらこんなに早く食べれるのか不思議なくらいにだよ?
隣に座る翠と目の前に座る煌君が普通に食べているのを見て、慣れているのかもしれないなと思いながら、私もオムライスを頬張る。
『美味しい……‼︎』
『だろ!?』
思わず声をあげた私に、嬉しそうに同意した快斗君を見て頷く。
オムライスはよく食べる方だけど、久しぶりにこんな美味しいの食べたや。
豪快に笑っていた食堂のおばちゃんに心の中でお礼を言って、オムライスを食べ進めていった。