あの春、君と出逢ったこと



我が家のようにソファーに座ってくつろぐ快斗君に一瞬固まも、慌てて笑みを取り繕う。


『お父さんが、2年前に交通事故で亡くなったの。

それから、お母さんが1人で育ててくれてるんだけど、仕事で忙しくて大体家にはいないかなー』



出来るだけ明るくて言った私に、快斗君がなんとも言えない表情を浮かべたのを見て、慌ててカレーを用意する。


折角、みんなで食べるんだから、暗かったら勿体無い。


それにしても、今日がカレーじゃなきゃ、こうやってみんなで食べられなかったんだからね。


カレーでよかった。



『適当だから口に合わないかもしれないけど、文句は受け付けないからね⁇』



そう言って笑った私を見て頷いた3人が、両手を合わせてカレーを一口食べる。


文句は受け付けないとか言ったけど、不味いとか言われたら、本当心折れるかもな。


なんて考えながら、黙々と食べ進めていく3人を見る。


< 168 / 262 >

この作品をシェア

pagetop