あの春、君と出逢ったこと
我が家のようにソファーに座ってくつろぐ快斗君に一瞬固まも、慌てて笑みを取り繕う。
『お父さんが、2年前に交通事故で亡くなったの。
それから、お母さんが1人で育ててくれてるんだけど、仕事で忙しくて大体家にはいないかなー』
出来るだけ明るくて言った私に、快斗君がなんとも言えない表情を浮かべたのを見て、慌ててカレーを用意する。
折角、みんなで食べるんだから、暗かったら勿体無い。
それにしても、今日がカレーじゃなきゃ、こうやってみんなで食べられなかったんだからね。
カレーでよかった。
『適当だから口に合わないかもしれないけど、文句は受け付けないからね⁇』
そう言って笑った私を見て頷いた3人が、両手を合わせてカレーを一口食べる。
文句は受け付けないとか言ったけど、不味いとか言われたら、本当心折れるかもな。
なんて考えながら、黙々と食べ進めていく3人を見る。