あの春、君と出逢ったこと
『うん、大丈夫‼︎ 快斗君たちもだよね⁇』
ポジティブに考えてみた結果というか、よくよく考えてみた結果というか。
普通に考えて、快斗君と翠も居るって事に気付きました。
クリスマスの日、無事くっついたらしい翠からたまに快斗君の愚痴を聞かされる。
まぁ、愚痴じゃなくて惚気になってる事に翠は気づいてないんだよね。
聞いてる方からしてみたら、顔を赤くして言われても、惚気にしか聞こえないけど。
とりあえず、2人がくっいてくれてよかった。
快斗君に翠を泣かしたら許さないって脅しかけたんだけど。
『泣かすわけない』
って顔を赤くして返してくれたから、多分大丈夫‼︎
『……莉、聞こえてるか⁇』
電話越しに、少し大きめに聞こえた煌君の声で我にかえる。
『で、今日空いてるか?』
『ん。空いてる。
何かするの??』
動揺しているのが伝わらないように、意識していつも通りを装う。
……まぁ、煌君からの電話で、動揺しないわけないし。
自分で言うのもあれだけど、内容も内容だから……少し自惚れても良いのかな…なんて。
『初詣、行きたいんだけど、大丈夫か?』
いつまでも返事をしなかった私を不思議に思ったのか、煌君が電話越しに私を呼ぶ。
そんな煌君の声で我に返り、笑いながら誤魔化す。
煌君があんなこと言うなて思わなかった。なんて、本人に言えるわけないしね。