あの春、君と出逢ったこと
泣いたって、何も変わらない。
『……うん』
叔父さんの言葉に頷いて、私は終業式まで、入院してリハビリする事になった。
『……栞莉、私も何か出来る事があれば協力するわ』
そう言った翠にありがとうと笑って返す。
『翠、快斗君には言っても良いけど。
煌君には、秘密だからね?』
『……分かったわ』
頷いた翠は、叔父さんに会釈して、私に手を振って病室を出て行った。
『……叔父さん』
『なんだ?』
ベッドに横たわりながら、叔父さんに声をかける。
『私、後どれくらないもつの?』
私の言葉に、目を伏せたおじさんが、私への返事を小さく呟いた。
『……そっか』
『ごめん、な。
治せてやったら、よかったのに』
そう言って謝ったおじさんに、良いよと笑って返す。
『これが私の運命なんだもの。
叔父さんが謝る必要なんて無いよ』
自分自身の事なんだから。
『そうか。
……リハビリ、厳しくするからな』
さっきと打って変わって、悪戯な笑みを浮かべながらそう言った叔父さんに、苦笑いを返した。
2月。
自覚し、受け止める。