あの春、君と出逢ったこと


そう考えながらも、なんとなく快斗君にばれないように快斗君に近づく。



『……快斗君』



私の言葉に顔をあげた快斗君が、私の姿を捉えてその顔に笑みを浮かべた。



『聞いてよ、栞莉チャン‼︎

俺、補習組入ってなかった!

本当、煌様々だよな。
俺、あの5日間は2度と経験したくないね』




両手を組んでブツブツとそんな事を呟き始めた快斗君を無視して、紙を覗き込む。



補習組リストに載っている名前の欄に、確かに快斗君の名前は載っていなかった。




てことは、計画通り4人で夏休みを過ごせるってことだよね⁇



紙の前でガッツポーズした私を見て、快斗君が不思議そうに首を傾げる。



『栞莉チャンも、補習組入りそうだったのか?』



『ん?』



勘違いをした快斗君の口から出た言葉に、思わず即答で聞き返してしまう。


だって、ね!?



『ちゃんと勉強してたでしょ? 私』



補習組に入らないように勉強ちゃんとしたんだから‼︎


まだ見ていないけど、多分順位も真ん中くらいだと思う。



『因みに、俺は67位だったぜ! 自己ベスト』



嬉しそうにそう言った快斗君を見て、笑みを返して頷く。



『栞莉チャンは?』



『私?』




聞き返した私を見て笑った快斗君が、少しの間順位表を見上げてあっ、と声を上げた。




『快斗君?』



何事かと思い、声をかけた私を見て、快斗君がニヤリと口元に笑みを浮かべるのを見て、首を傾げる。



……何?


もしかして、結構順位悪かったとか……⁇




自分の順位が想像できないまま、快斗君の隣に行き順位表を見上げた。




『……ん?』




まず、目に入ったのは、朝倉煌の文字。






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