あの春、君と出逢ったこと
盛大にガッツポーズをした快斗君を、華麗にかわした翠と、さっきまで言い合っていた煌君を見比べる。
顔も、どことなく似ているし。
煌君が女なら翠に。
翠が男なら煌君みたいになるんだろうな。
何度も交互に2人を見比べている私を見て、何をしているのかわかったのか、2発。頭に拳骨が落ちてきて、痛む頭を庇うようにおさえる。
『いきなりはダメ‼︎
本当に痛いんだよ、煌君と翠の拳骨‼︎』
涙目で訴える私を、2人お得意のスルーでかわした2人を見て、快斗君が呆れたように笑った。
『栞莉チャン、俺、痛いほど分かるから。その気持ち』
『本当⁇
快斗君だけだよ、私の気持ちを理解してくれるの‼︎』
『俺の気持ちを理解してくれるのも、栞莉チャンだけだな!』
変な友情を高め合い、力強く両手を握りしめた私達を、外から白い目で見つめる煌君達に気づかずに快斗君と同盟を組む。
『名付けて、朝倉双子に負けない‼︎ 同盟だな』
『……快斗君、ネーミングセンス無さすぎだよ』
ドヤ顔しながらそう言った快斗君に苦笑いを浮かべながら、同盟名を呟く。
『同盟の事、煌と翠チャンには内緒だからな?』
『うん!』
『聞こえてるわよ』
『聞こえてる』
快斗君の言葉に頷いた私に、煌君と翠がハモりながらそう言ったのを聞いて、快斗君と顔を見合わせて声をあげて笑った。
7月
前よりももっと
お互いを知れた気がした