妻に、母に、そして家族になる
生まれて初めてのお姫様抱っこに眠気が一気に吹き飛んだ。
「し、しし信濃さん!?」
「部屋はすぐそこだけど、運んであげるよ」
「いいです!だって私、重いし……」
恥ずかしくて徐々に語尾が小さくなってしまう。
ここに来てから、前よりもしっかりご飯を食べるようにしてるせいで(食べる量が少ないと二人が心配するから)、体重が増えていた。
そろそろダイエットでもしようかなと考えていたのに、まさか実行に移す前にお姫様抱っこをされる日が来るなんて……。
今すぐにでも部屋に駆け込みたい衝動に駆られるが、体をがっちりホールドされてそれは叶わない。
恥ずかしくて、申し訳なくて、両手で顔を覆って隠している間に、部屋の戸を開ける音がしてベットに優しく下ろされる。
「すみません……重かったですよね」
「いや、橘さん一人ぐらいなら全然平気だよ。それに昨日は駐車場からここまで運んだわけだし、リビングから部屋までなんて余裕だから」
「き、昨日もお姫様だっこで運んでくれたんですか!?」
「え?うん。声を掛けても起きなかったし、俺のコートを抱きしめて離さなかったからさ。無理に起こすのも可哀想だから、部屋まで運んであげようと思って」
「そうだったんですか……」
「し、しし信濃さん!?」
「部屋はすぐそこだけど、運んであげるよ」
「いいです!だって私、重いし……」
恥ずかしくて徐々に語尾が小さくなってしまう。
ここに来てから、前よりもしっかりご飯を食べるようにしてるせいで(食べる量が少ないと二人が心配するから)、体重が増えていた。
そろそろダイエットでもしようかなと考えていたのに、まさか実行に移す前にお姫様抱っこをされる日が来るなんて……。
今すぐにでも部屋に駆け込みたい衝動に駆られるが、体をがっちりホールドされてそれは叶わない。
恥ずかしくて、申し訳なくて、両手で顔を覆って隠している間に、部屋の戸を開ける音がしてベットに優しく下ろされる。
「すみません……重かったですよね」
「いや、橘さん一人ぐらいなら全然平気だよ。それに昨日は駐車場からここまで運んだわけだし、リビングから部屋までなんて余裕だから」
「き、昨日もお姫様だっこで運んでくれたんですか!?」
「え?うん。声を掛けても起きなかったし、俺のコートを抱きしめて離さなかったからさ。無理に起こすのも可哀想だから、部屋まで運んであげようと思って」
「そうだったんですか……」