妻に、母に、そして家族になる
ちょっと安心した。

怖い思いをしたから、今日は眠れないんじゃないかと思って、心配していた。

『こうして、今日もハルの寝顔を見れたのは橘さんのおかげです。本当にありがとうございました』

「いえ、そんな……」

『今度、何かお礼をさせてください』

「お礼なんていりません」

『いえ、そんな訳にはいきませんよ』

「本当にいりませんから」

私が何度もお礼はいらないと言っても、信濃さんはなかなか諦めてくれない。

しばらくそのようなやり取りが続いて

『本当になんでも言ってください』

「えっ~と……」

徐々に何かお礼を受け取った方がいいかなと思い始めたとき

『食事でもどうですか?』

食事の誘いにピンと閃く。
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