妻に、母に、そして家族になる
十八歳の時に免許は取ったけど、今じゃ立派なペーパードライバーだから尊敬する。

車から降りてハルくんと手を繋いで店内に入ると、店内はすでにお客さんでいっぱいだった。

でも、ちょうど食べ終わって帰る人達がいて、タイミングよくテーブル席に座ることができた。

ハルくんは私の隣に座り、信濃さんは向かい側の席に座る。

車に乗ってた時は隣にいたから緊張したけど、正面にいるのも緊張するな……。

緊張を少しでも和らげようと周りを見ると、思った通り家族で来ている人が多くて、一人で食べている人はいなかった。

一緒に回転寿司に行きたいって、お願いした時は申し訳なかったけど、やっぱりお願いしてよかった。

「ハル、湯飲み取って」

「うん」

ハルくんが湯飲みを三つ用意すると、その中に信濃さんが緑色の粉とお湯を入れる。
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