妻に、母に、そして家族になる
同じ屋根の下での暮らし
夏から秋へと変わりつつある空の下。
信濃さんが運転する車がマンションの駐車場へと入っていく。
ほぼ満車であまり広くない駐車場の中を、彼は海を泳ぐ魚のようにスイスイ運転して、駐車スペースにバックで車を入れてしまう。
車のエンジン音が消えるとドアを開けて外に出た。
冷房が効いた車内から出た瞬間、残暑の蒸し暑い空気が体に纏わりつく。
朝夕涼しい日が増えてきたとはいえ、日中はまだまだ暑い。
それに今日から信濃さんの家で暮らす為、その緊張もあって余計に暑く感じた。
「あ、あの信濃さん。自分の荷物は自分で持ちます」
「いいから持たせてよ。力仕事は男の仕事だからさ」
信濃さんが後部座席に置いていた、大きくて石のように重いバックを率先して持ってくれる。
後悔先に立たず。
わざわざ休日を潰してまでホテルからここまで運転してもらったにも関わらず、彼にこんな重い荷物を持たせてしまうなんて、申し訳なさ過ぎる。
いくら面倒だったからって、殆どの荷物を一つのバックに詰め込むべきじゃなかった。
ちょっとの手間を惜しんだ昨日の自分を無性に殴りたい。
信濃さんが運転する車がマンションの駐車場へと入っていく。
ほぼ満車であまり広くない駐車場の中を、彼は海を泳ぐ魚のようにスイスイ運転して、駐車スペースにバックで車を入れてしまう。
車のエンジン音が消えるとドアを開けて外に出た。
冷房が効いた車内から出た瞬間、残暑の蒸し暑い空気が体に纏わりつく。
朝夕涼しい日が増えてきたとはいえ、日中はまだまだ暑い。
それに今日から信濃さんの家で暮らす為、その緊張もあって余計に暑く感じた。
「あ、あの信濃さん。自分の荷物は自分で持ちます」
「いいから持たせてよ。力仕事は男の仕事だからさ」
信濃さんが後部座席に置いていた、大きくて石のように重いバックを率先して持ってくれる。
後悔先に立たず。
わざわざ休日を潰してまでホテルからここまで運転してもらったにも関わらず、彼にこんな重い荷物を持たせてしまうなんて、申し訳なさ過ぎる。
いくら面倒だったからって、殆どの荷物を一つのバックに詰め込むべきじゃなかった。
ちょっとの手間を惜しんだ昨日の自分を無性に殴りたい。