妻に、母に、そして家族になる
「じゃ、じゃあ、せめて家事をさせてください」

「家事?」

「はい。家事なら割と得意だし力になれると思います。……どうですか?」

おずおずと尋ねると、信濃さんは私の気持ちをわかってくれたのか、小さく笑ってくれた。

「じゃあ、お願いしようかな。二人で分担しよう」

「ご飯は私が作りますね。後は洗濯とかアイロン掛けとか……」

「洗濯とアイロン掛けは俺がするよ。結構得意だし。でもまあ、家事はお互いに臨機応変に対応していこう」

「そうですね」

これからのことを色々と話している内に気が付けば日付が変わっていた。

夢中になると時間の感覚がなくなる。

信濃さんも同じだったのか時計を見て驚いていた。

「明日お仕事ですよね。こんな遅くまでごめんなさい」

「大丈夫。明日は少し遅めに出るつもりだったから。明日からよろしくね」

「はい。あの、できるだけ早く部屋をみつけますので、しばらくお世話になります」
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