クールな御曹司と溺愛マリアージュ
「空の上というコンセプトは変えたくなかった。だが、同じ空の上でもただ浮かんでいるわけじゃない。今度は、空に建つチャペル」
コンペに出す新しいデザイン画は、佐伯さんの言葉通りだった。
大きな窓ガラスからは空が見えて、シンプルながらも森林をイメージした壁紙や装飾品、そして両サイドの一部をガラスにした床の下には泉をイメージした水が流れている。
「三十六階に、森のチャペルが……」
「そうだよ、恵梨ちゃん。ただ雲の上に浮かんでるだけじゃつまらないけど、雲の上に浮かぶ森の中のチャペルならなんだかワクワクするし神秘的でしょ?」
満面の笑みを浮かべながら、成瀬君が嬉しそうにデザイン画を見つめている。
外観は普通のホテルなのに、三十六階に着くと突然現れる空に浮かぶ森林の中のチャペル。
「本当に……もう泣けちゃいます。みんなが頑張っていたのを、一番近くで見てきたから」
涙が溢れそうになり、両手で顔を隠すように覆った。
「俺はこのデザインがコンペを勝ち取ると自信を持って言える。拓海も成瀬も、そして柚原も、よくやってくれた」
「いや、私はなにもしていませんけど、でも……」
「なに言ってんだ」
ポンと頭の上に手を置いた佐伯さん。ふと見上げると、私を見て微笑んでくれた。
「誰がいなくても、このデザインは完成しなかった。お前もだ……柚原」
佐伯さん……。
今までくれたプレミアム付きの笑顔の中で、一番の微笑みをくれた佐伯さん。
好きですって、今すぐ言いたい。あなたがいたから私は変われたと。
でも、コンペの結果が出るまでは、必死にこの気持ちを抑えよう。
「ありがとうございます。少しでも役に立ててたなら、よかったです」
「なに言ってんですか。俺の代わりにクライアントに足を運んでくれたり、ご飯も毎日買ってきてくれて、疲れが溜まってる時には何も言わなくても栄養ドリンクをくれたじゃないですか」
「成瀬君」
「そうだよ、恵梨ちゃん。デザインに集中してる時は俺達の気が散らないようにって、色んな気遣いもしてくれた」
「拓海さんまで……」
コンペに出す新しいデザイン画は、佐伯さんの言葉通りだった。
大きな窓ガラスからは空が見えて、シンプルながらも森林をイメージした壁紙や装飾品、そして両サイドの一部をガラスにした床の下には泉をイメージした水が流れている。
「三十六階に、森のチャペルが……」
「そうだよ、恵梨ちゃん。ただ雲の上に浮かんでるだけじゃつまらないけど、雲の上に浮かぶ森の中のチャペルならなんだかワクワクするし神秘的でしょ?」
満面の笑みを浮かべながら、成瀬君が嬉しそうにデザイン画を見つめている。
外観は普通のホテルなのに、三十六階に着くと突然現れる空に浮かぶ森林の中のチャペル。
「本当に……もう泣けちゃいます。みんなが頑張っていたのを、一番近くで見てきたから」
涙が溢れそうになり、両手で顔を隠すように覆った。
「俺はこのデザインがコンペを勝ち取ると自信を持って言える。拓海も成瀬も、そして柚原も、よくやってくれた」
「いや、私はなにもしていませんけど、でも……」
「なに言ってんだ」
ポンと頭の上に手を置いた佐伯さん。ふと見上げると、私を見て微笑んでくれた。
「誰がいなくても、このデザインは完成しなかった。お前もだ……柚原」
佐伯さん……。
今までくれたプレミアム付きの笑顔の中で、一番の微笑みをくれた佐伯さん。
好きですって、今すぐ言いたい。あなたがいたから私は変われたと。
でも、コンペの結果が出るまでは、必死にこの気持ちを抑えよう。
「ありがとうございます。少しでも役に立ててたなら、よかったです」
「なに言ってんですか。俺の代わりにクライアントに足を運んでくれたり、ご飯も毎日買ってきてくれて、疲れが溜まってる時には何も言わなくても栄養ドリンクをくれたじゃないですか」
「成瀬君」
「そうだよ、恵梨ちゃん。デザインに集中してる時は俺達の気が散らないようにって、色んな気遣いもしてくれた」
「拓海さんまで……」