クールな御曹司と溺愛マリアージュ
『正直な話、ワームの副社長になれと言われたことがありますが拒否し続けていました。
ですが今回の新会社については私のやりたかった事業であり、ゼロからのスタートということで計画の段階から設立まで全てに携わってきました。
先ほどワームの社長は国内一位を目指すと仰っていましたが、ワームデザインも同じです。目標は高くなければ意味がない。空間デザインとして確かな実績を積み、近い将来ワームの売り上げを越えたいと思います』
淡々と表情を変えずに言い放った言葉に、私は息つく事を忘れてしまうほど佐伯渉社長に釘付けになった。
『その為に、私と共にワームデザインで力を尽くしてくれる社員を募集します』
今私の胸が高鳴っているのは、社長がかっこいいからとかそういうことではなくて、この社長と共に働きたいという気持ちが芽生えたから。
決意に満ちた目を見ているだけで、体が震えだすかのように強く心を突き動かされた。
受けるだけなら誰にでも権利はあるしチャンスもあるはず。センス重視の採用基準ならその時点でアウトだけど、そうじゃないならやってみたい。
恋愛を諦めた私には、もう仕事しかないから。
全身全霊で仕事をする覚悟を、面接で見てもらおう。
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