クールな御曹司と溺愛マリアージュ
「俺はこれから出るけど、今日は会社には戻れないと思う。柚原、この前頼んだデータをワームの総務課まで送っておいてくれ」
「はい。分かりました」
会社を出る佐伯さんの背中を見届けた私は、肩の力を抜いてふーっと軽く息を吐き出した。
「恵梨ちゃんってさ、渉と話しするときいつも緊張してるよね」
「えっ!?」
突然そんなことを言うもんだから、目が泳いでしまった。そんな私を見てクスクス笑っている拓海さん。
「恵梨ちゃんて面白いね。たまには一緒にランチでもどう?」
「は、はい。是非」
気づけばもうすぐ十三時になろうとしていた。どうりでお腹が空いているわけだ。
お昼時を過ぎたからか、いつもはOLやサラリーマンに人気の洋食屋も待たずにすぐ入ることができた。
ワームで働いていた時は十二時に昼休憩だったから、会社を出ると既に列が出来ていて運が良くなければ入れなかったお店も、こうやって時間をずらして休憩を取れるとスムーズに入れる。
ここのオムライスが絶品なんだよね。どこか懐かしいけれど、とても深みのある味がたまらない。
私は勿論オムライス、拓海さんはハンバーグを頼んでお水をひと口飲んだ。
「もうすっかり夏だよね。俺夏は好きだけど、こう毎日最高気温を更新されると流石に外回りは辛いよ」
「そうですよね。営業となると暑くてもスーツを着なきゃいけないし。私は夏は苦手で、どちらかと言えば冬の方が好きですね」
拓海さんは佐伯さんとは違い少し目尻が下がっているからか、常に優しく微笑んでいるように見えてその表情はとても柔らかい。
「ところでどう?仕事は慣れた?」
「はい、なんとか。まだまだ要領が悪い気がしますけど」
「でも本当に頑張ってるよね。事務員一人だから大変だと思ったけど、頼んだ仕事もすぐにやってくれるし。渉も褒めてたよ」
「佐伯さんが?」
仕事に関しては直接褒められたことは一度もなくて、寧ろ厳しく指導されることの方が多い。
ただそうやってなんでもハッキリ言ってくれるからこそ、私ももっと頑張らなきゃって思えて自分の向上心に繋がっているのも事実だ。
「はい。分かりました」
会社を出る佐伯さんの背中を見届けた私は、肩の力を抜いてふーっと軽く息を吐き出した。
「恵梨ちゃんってさ、渉と話しするときいつも緊張してるよね」
「えっ!?」
突然そんなことを言うもんだから、目が泳いでしまった。そんな私を見てクスクス笑っている拓海さん。
「恵梨ちゃんて面白いね。たまには一緒にランチでもどう?」
「は、はい。是非」
気づけばもうすぐ十三時になろうとしていた。どうりでお腹が空いているわけだ。
お昼時を過ぎたからか、いつもはOLやサラリーマンに人気の洋食屋も待たずにすぐ入ることができた。
ワームで働いていた時は十二時に昼休憩だったから、会社を出ると既に列が出来ていて運が良くなければ入れなかったお店も、こうやって時間をずらして休憩を取れるとスムーズに入れる。
ここのオムライスが絶品なんだよね。どこか懐かしいけれど、とても深みのある味がたまらない。
私は勿論オムライス、拓海さんはハンバーグを頼んでお水をひと口飲んだ。
「もうすっかり夏だよね。俺夏は好きだけど、こう毎日最高気温を更新されると流石に外回りは辛いよ」
「そうですよね。営業となると暑くてもスーツを着なきゃいけないし。私は夏は苦手で、どちらかと言えば冬の方が好きですね」
拓海さんは佐伯さんとは違い少し目尻が下がっているからか、常に優しく微笑んでいるように見えてその表情はとても柔らかい。
「ところでどう?仕事は慣れた?」
「はい、なんとか。まだまだ要領が悪い気がしますけど」
「でも本当に頑張ってるよね。事務員一人だから大変だと思ったけど、頼んだ仕事もすぐにやってくれるし。渉も褒めてたよ」
「佐伯さんが?」
仕事に関しては直接褒められたことは一度もなくて、寧ろ厳しく指導されることの方が多い。
ただそうやってなんでもハッキリ言ってくれるからこそ、私ももっと頑張らなきゃって思えて自分の向上心に繋がっているのも事実だ。