クールな御曹司と溺愛マリアージュ
電話で有希乃ちゃんから好きなのかと聞かれた時は『多分』と答えたけれど、今はもう……多分ではない。
「うん。あのね……私、好きになっちゃったみたい」
ワームデザインでのこれまでのことや佐伯さんのこと、全てを有希乃ちゃんに話した。
私の言葉を黙って聞きながら、何度も頷きビールを飲む有希乃ちゃん。
「凄く冷たくてクールっていうか、感情をあまり表に出さない人なんだけどね、本当に時々ふとした時に優しい言葉をくれたり、滅多に見れない笑顔は私にとってプレミアものなんだ」
「なるほど。私、なんだか嬉しいです」
「え?」
「河地さんとのことがあってから恵梨さんずっと落ち込んでたっていうか、多分恵梨さん自身は気付いてなかったかもしれないけど、明るさがなくなったなって思ってたんです」
自分ではそんなつもりはなかったけれど、他の人からはそう見えていたってことなのかな。
「私って割とハッキリなんでも言う方だけど、恵梨さんの中でなにか葛藤してるのかもしれないし、人の心にズケズケ入るのは良くないかなと思ってました。
でも、私がちゃんと話聞いてあげればよかったなって、少し後悔してます」
「有希乃ちゃん……。そんなの気にしないで。早く忘れたくて考えないようにしていた私が悪いの。自分の何がいけなかったのかちゃんと考えなかったから」
だから、気付けなかったんだ。自分を磨く努力をしてこなかったことに。
「でもね、今は凄く嬉しいです!恵梨さんに好きな人が出来て。佐伯さんの話をしている時の恵梨さん、凄く楽しそうだから」
有希乃ちゃんの言葉が胸に響き、涙が出そうになった。
「それで、進展はありそうですか?」
「ううん。好きだって気付いたけど、どうしていいか分かんないんだよね。同じ会社だし、気を遣わせたり迷惑かけたくないから」
今の関係を壊さずにアピールできる方法なんて見つからないし。
いい大人がなにウジウジしてるんだって思われるかもしれないけど、アラサーだろうが若かろうが、恋に悩む気持ちは同じなんだ。
寧ろアラサーだからこそ、余計なことばかり考えてしまって素直に前に進めないこともある。
「うん。あのね……私、好きになっちゃったみたい」
ワームデザインでのこれまでのことや佐伯さんのこと、全てを有希乃ちゃんに話した。
私の言葉を黙って聞きながら、何度も頷きビールを飲む有希乃ちゃん。
「凄く冷たくてクールっていうか、感情をあまり表に出さない人なんだけどね、本当に時々ふとした時に優しい言葉をくれたり、滅多に見れない笑顔は私にとってプレミアものなんだ」
「なるほど。私、なんだか嬉しいです」
「え?」
「河地さんとのことがあってから恵梨さんずっと落ち込んでたっていうか、多分恵梨さん自身は気付いてなかったかもしれないけど、明るさがなくなったなって思ってたんです」
自分ではそんなつもりはなかったけれど、他の人からはそう見えていたってことなのかな。
「私って割とハッキリなんでも言う方だけど、恵梨さんの中でなにか葛藤してるのかもしれないし、人の心にズケズケ入るのは良くないかなと思ってました。
でも、私がちゃんと話聞いてあげればよかったなって、少し後悔してます」
「有希乃ちゃん……。そんなの気にしないで。早く忘れたくて考えないようにしていた私が悪いの。自分の何がいけなかったのかちゃんと考えなかったから」
だから、気付けなかったんだ。自分を磨く努力をしてこなかったことに。
「でもね、今は凄く嬉しいです!恵梨さんに好きな人が出来て。佐伯さんの話をしている時の恵梨さん、凄く楽しそうだから」
有希乃ちゃんの言葉が胸に響き、涙が出そうになった。
「それで、進展はありそうですか?」
「ううん。好きだって気付いたけど、どうしていいか分かんないんだよね。同じ会社だし、気を遣わせたり迷惑かけたくないから」
今の関係を壊さずにアピールできる方法なんて見つからないし。
いい大人がなにウジウジしてるんだって思われるかもしれないけど、アラサーだろうが若かろうが、恋に悩む気持ちは同じなんだ。
寧ろアラサーだからこそ、余計なことばかり考えてしまって素直に前に進めないこともある。