子供が夢を確実に叶える方法~そのために親がすべき29のこと~
もうひとつ、家作りでこだわったことがあります。

それは、美誠が生まれてきたときの写真や、家族と過ごす様子を写した写真を壁に飾ること。

前述したとおり、美誠に“愛されているという原風景”を作ってあげたかったからです。

カラフルな画用紙にペタペタと写真を貼って、その周りにはコメントも書き、それらを家中の壁に貼りました。

見ているだけで美誠が「私は愛されている」と実感できるような家にしたのです。

また、全国の大会に出るようになってからは、そこでできたお友達との写真もどんどん加えていきました。

深夜までふたりで練習をしていると、どうしても孤独を感じてしまうのですが、それを払拭したかったという理由もあります。

苦しいなと思ったときに、ふとお友達の写真が目に入ると、「がんばっているのは自分だけではない」と気持ちを奮い立たせることができます。さらに「今度の大会では○○ちゃんに会えるな」「この前は負けてしまったけれど、次は勝てるかな」と、卓球をしているからこそ出会えたお友達と再会する楽しみも湧いてきます。そのおかげで、「苦しくてもがんばろう」という卓球に対するモチベーションをキープし続けることができたようにも思います。

壁に貼っているのは、写真だけではありません。

小さいうちは意味が分からなくても、これからの美誠の人生において役に立つと思える言葉もところどころに配置しました。

その一部をご紹介します。

【気のゆるみが大きな失敗をまねく】

【つまずいた石は踏み石にもなる】

【希望を信じて苦しみに耐えよう】

こうした、人として大切にしてほしい言葉に子供の頃から触れさせておけば、成長していく過程で、いつかその場面に遭遇したときにハッと思い出すことができると思うのです。

壁にぶち当たったときに乗り越えられるか乗り越えられないかは、このような「自分の心を強くしてくれる言葉をいくつ持っているか」ということが重要なのではないでしょうか。

また、そのときの美誠の精神状態にマッチしそうなものを掲示することも忘れません。

練習がマンネリ化しているときに少し刺激を与えてあげたいと思えば、大会で優勝したときの新聞記事を貼ることもありますし、試合続きでリラックスしてほしいときには、ファッション誌の切り抜きなど、卓球とはまったく関係のないものを貼ることもあります。
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