孤独なシンデレラに永遠の愛を捧ぐ。


「…ケーキすごいね」

「でっしょー!いつものケーキ屋さんに特注してもらったんだぁ」


豪華な食事が乗せられているテーブルの中央に置いてあるいちごのショートケーキは三段になっていて、とても目立っている。


「結愛ちゃん、喜んでくれた?」

佳穂が私の顔を覗き込む。

その瞳は不安げな色をしていた。


だから私は口角をきゅっと上げて笑う。

心配なんかさせたらいけない。


「佳穂、ありがとう」


すると佳穂はみるみる表情を明るくした。

「どーいたしましてっ!」


嬉しそうな笑顔に私も気持ちが明るくなった。

九条 拓も佳穂を見て微笑んでいる。


「待て!なんで佳穂だけ名前で呼ばれてんの?!」

成宮がギャーギャーと喚いた。

「うるさっ」

私は思わず顔を歪める。

彼に声のボリューム調節という概念はないのか。


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