孤独なシンデレラに永遠の愛を捧ぐ。
「結愛っ!」
名前を呼ばれて振り返ってみれば、案の定そこにいたのはお姉ちゃんだった。
「どうしたの、お姉ちゃん」
無表情の私にお姉ちゃんは笑いかける。
「お誕生日おめでとう」
「…メッセージで送ってくれたから良かったのに」
「こういうのは直接言いたいもんじゃん?」
疑問形で言われても、私にはそんなことわからない。
そんなふうに思ったことがないから。
「…そう、かな。ありがとう」
歯切れ悪く答えることしかできない。
「結愛、最近どう?」
どうって何が?
そんなことわかっているのに聞こうとして、でもそんなひねくれた自分は嫌で、ぐっと飲み込んだ。
「普通かな」
差し当たりのないセリフを紡ぐのは慣れたもの。
だけど毎日楽しいよ、とは答えられなかった。