孤独なシンデレラに永遠の愛を捧ぐ。
けれど、一番嫌いなのは自分だ。
本人に嫌いって言えない自分が大っ嫌い。
隼人にはあんなに威勢よく暴言を吐いたのに。
私は反吐が出るほど弱い人間だ。
「お姉ちゃん、」
「ん?」
「大学を卒業したら帰ってくる?」
「なんでそんなこと聞くの?」
「私は来年此処を出るつもりだから…お義母さんがひとりになっちゃうでしょ?」
お姉ちゃんが戻ってくるのなら、お義母さんの機嫌は良くなる。きっと大喜びするだろう。
お姉ちゃんには帰ってきてあげてほしい。
「…結愛は、県外に行きたい大学があるの?」
「え、」
「決まってるの?」
「……、」
「もちろん志してる大学があるなら構わないけど。なんらかの理由で引け目とか感じてここを空けようとしてるんだったら、無理してそんなことしなくてもいいんだよ」
お姉ちゃんは、何もわかってない。
いや、わかるはずもない。
私が此処を出たい理由なんて…。