孤独なシンデレラに永遠の愛を捧ぐ。
XI.疼痛
それはありふれた放課後。
普通に授業を受けて、普通に帰る支度をして。
今日は塾がある曜日で、でも今日だけ先生の都合で塾はお休みだった。
それを知らない湊はもちろん教室に迎えには来ない。
私が前に塾がある日は一緒に帰るのを断ったからだ。
塾まで彼に送られては、目立って仕方ない。
ただでさえ学校で悪い噂もそうでない噂も立っているのに、塾でまで噂が立ってはやってられない。
私は黙々と必要な教科書だけ鞄に詰めて、早々と教室をあとにする。
「高野さん、バイバイ!」という声には笑顔で対応し、今日もパーフェクトなキャラを設立させた。
そして無人の図書室へ足を運び、図書室が施錠される時間までミッチリ勉強する。
久しぶりにこんなに勉強したから少し疲れてしまった。