孤独なシンデレラに永遠の愛を捧ぐ。


「すっ、すいませんでしたっ!」

「もういい。下がれっ!」

「はいぃぃ!」


ふたりは間抜けな声を上げて一目散に逃げ出ていった。


とりあえずは凌げたけれど、この人の方が絶対危ない。

どうやって逃げたら…?


「さぁて、姉ちゃん」


ゾワッ。

男の声が私に向けられた瞬間、恐怖というものが本物となった。


「気になっていること、教えてあげようかぁ?」

「んんんんっ、」

「おっと〜。外してあげないと喋れないね」


口を解放され、唇が生ぬるい空気に触れる。

それでも爽快感さえ感じるのは、今身動きが自由なのが口元しかないからだろう。


「んで、姉ちゃんは何が聞きたい?」

「…なんで、私が此処につれて来られたの」

「ははっ、気ぃ強いなぁ。ちゃんと教えてあげるから大人しくしろよなぁ」

「だって!」


だって心当たりが無い。

悪いことだってしてないはずだし、家も金持ちではないからそれで狙われたのは考えにくいし…。


ただひとつだけ引っかかっているのは…。

……まさか、まさかね。



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