孤独なシンデレラに永遠の愛を捧ぐ。


ずっと引っかかっていた。

だって、超平凡な家系の私がスタンガンを使った計画的にも思える方法で攫われたんだ。

不自然極まりない。


「お前、あいつらどれかの女なんだろ?」


こうやって思い込みで動く人がいるから、だから湊たちが私に忠告してたのか、と今更ながらに実感した。

"万が一があるから"と。


ああ、最っ悪だ。


でも何故だか、今なら反撃できそうな気がする。

手の震えは収まっていないけれど、でもさっきと全然違う。

どこが違うかとかなんで変わったのかとか説明はできないが、不意に気持ちが楽になったのだ。


「王子様はいつ迎えに来てくれるかね?」


ニタニタと笑う男。

確実に湊たちを馬鹿にしている。



私、何でこいつなんかに攫われてるんだろう?



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