孤独なシンデレラに永遠の愛を捧ぐ。


「…く、ははははははっ!」

「…何笑ってる?」

「来るわけないじゃん」

「あ゛ぁ?」


男の目つきが豹変した。

敵を見る獣のような鋭い目つきで私を捉える。


「だから、湊たちが来るわけないじゃん」


湊、来ないで。


「だって、赤の他人だよ?彼氏でもないし、そういう関係でもない」


私は最初からひとりで解決するつもりなんだから。

来ちゃダメなんだよ。


「来ないよ。残念だったね」


そう言い終えると、私はにやりと笑った。

挑戦的に、挑発的に。


「っるせぇぇぇ!!!」


すると、男は私を殴った。

たった一発、重い拳を頬にガツンっという音と共に食らった。


口の中に鉄の味が広がる。

唇が切れてしまったのかもしれない。


痛いな…。

何度殴られたって、慣れることのない痛み。

これからどれくらい受ければいいのだろう。


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