孤独なシンデレラに永遠の愛を捧ぐ。


「ねえ、結愛ちゃん」

「ん?」

「無理しなくてもいいんだよ?」

「…え?」


なにそれ?

何のこと?

何に対して?

一瞬にして脳みそをフル回転させて考えるが、思考が追いつかない。


「あのね、私聞いたんだ。私が結愛ちゃんにいっぱい話しかけてるの、迷惑だったんでしょ?」

「ああ…!」

納得して出した言葉には溜め息も含んでいた。

全く変な噂流したの誰だよ。


「別に迷惑なんてしてないから」

「結愛ちゃん!同情とかいらないからね。同情してるから仲良くしてるとか、そんなの嫌だよ」

「……、」

「同情されても惨めなだけ…」


単純に似てる、と思った。

私が他人に向けた感情とよく似ている。


同情なんてされたらすごく惨めだ、と。


そんな恥ずかしい思いするぐらいだったら、絶対に隠さなければならないと思っていた。

お母さんがいないことも。お義母さんと、家族と上手くいっていないことも。出来た傷も。


絶対にバレたくなかった。

可哀想だね、なんて言われたくなかった。思われたくなかった。



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