孤独なシンデレラに永遠の愛を捧ぐ。
XIV.遊園地



事の発端は佳穂の一言だった。


テスト最終日の午後。

蝉が鳴き始め、本格的な夏を感じさせる帰り道。


「…遊園地行きたいなぁ」


唐突すぎるその発言に私は驚いてピタリと歩く足を止めたのだが、驚いたのは私だけのようだった。

三人組はそれを聞いても「じゃあ今から行くか」なんてファミレスに行く体で、某テーマパークへと方向転換させたのだ。


私はテストで少し疲れたので、帰って寝ようと思っていたのに、佳穂に引っ張られとうとう来てしまった。



遊園地に来るのはそう、幼稚園児以来だ。

あの時はお父さんとお義母さんとお姉ちゃんと4人で行った。

凄く楽しくて、笑顔だけの思い出。


その日以来、家族で来れなかったのはお父さんの仕事が忙しくなってしまったから。


今思えばあの時期が一番幸せを感じていたかもしれない。



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