孤独なシンデレラに永遠の愛を捧ぐ。
Ⅱ.遭遇
キーンコーンカーンコーン…
昼休みが始まる合図をチャイムが告げて、ざわめき出す学校。
今日もいつもと変わらず、昼食を食べようとお弁当箱を机の上に出した。
「ねえ高野さんも一緒に食べない?」
「あ、うん。食べようかな」
私はそのクラスメイトのグループが食べている机に自分の机をくっつけて、弁当箱を開く。
もちろんそのクラスメイトの名前は知らない。
「わあ!毎回思うけど高野さんのお弁当、美味しそうだよね~」
「…ありがとう」
にっこり笑えば、クラスメイトは少し頬を赤くした。
「もしかして、これ高野さんが作ってるの?」
「うん」
「すごいねえ。私なんてお母さんに作ってもらってるけど、ほとんど冷凍食品」
「それ、ミホのお母さんが手抜きしてるってこと~?」
キャハハッ!と私の前に座っている子が笑い、みんなも笑う。
私もそれに合わせて少しも面白くないのに、あははって笑う。
お母さんに、感謝するべきだと思うんだけどなあ。たとえ、冷凍食品ばっかのお弁当でも。