孤独なシンデレラに永遠の愛を捧ぐ。
佳穂はと言えば、お化けの人形が飛び出してくる度に、キャァァァァァァァ!とお手本のような悲鳴を披露していた。
そしてずっと拓にベッタリとくっついたままだ。
拓は佳穂が歩けるようにサポートしている。もう流石としか言えない。
「ユアは怖くないの?」
突然、隣にいた湊が尋ねてきた。
その涼しげな顔は健在だ。
「全く怖くない」
真顔で言い切れば、湊は笑った。
「"目に見えないものは信じられない"だもんな」
「…バカにしてる?」
「まさか」
どうだか。
なんかすごく楽しそうな顔してるんだもの。
「そう言う湊はどうなの」
「俺?俺は幽霊が怖くないって言ったら嘘になるけど、これは明らかに作り物だしなぁ」
それは私も同感だ。
さっき見た女の幽霊はどう見てもマネキンだった。