孤独なシンデレラに永遠の愛を捧ぐ。
結構わかりやすい位置に配置されてるし気づいてるかと黙っておいた。
が、次の瞬間。
そのガイコツがウィーンという機械音を立てて動いた。
へぇ、目も光るのね。
とか私は呑気に考えていたのだけど、穏やかでない人がひとり。
「ぎゃぁぁぁぁぁあああ!!」
今日一番の叫び声がお化け屋敷中に響いた。
「もう俺は一生お化け屋敷に入らないっ」
「うん、その方が同行者の耳を壊さないで済むと思うよ」
「拓くんの言う通り!ホント隼人くんってばうるさい!」
「な、なんだよ!」
お化け屋敷を出ると濃紺の世界が広がっていた。
観覧車のライトアップが目に痛い。
「結愛ちゃんもそう思うよね?!」
「うん。でもまあ、佳穂もかなり叫んでたよね」
「そ、そんなことないよう!」
「ほら見ろ!俺と佳穂はそんなに変わんねーよ!」
こういうのがまさにどんぐりの背比べってやつだな、とひとりクスリと笑う。