孤独なシンデレラに永遠の愛を捧ぐ。
グラウンドに出ると、この暑さでも元気に活動している野球部の声が響いていた。
ああ、すごく暑い。
どこまでも続く青い空が嫌になりそうだ。
「入道雲だ〜」
反対に佳穂は楽しそうにそう言う。
私と佳穂は驚く程正反対。
いい意味でも、悪い意味でも。
強い日差しの中歩いて、校門に辿り着いた時には首筋に汗が伝っていた。
手で汗を軽く拭いながら、校門に目をやるとひとりの女の子に焦点が合う。
…誰だろう?
彼女は明らかにうちの生徒ではない。
なぜなら、ひとつ隣の駅が最寄りの超お嬢様学校の制服を着ていたからだ。
校門にもたれかかって、ひとりで楽しそうにスマホをいじる彼女は、モデルと言ってもおかしくないぐらいの美少女だった。