孤独なシンデレラに永遠の愛を捧ぐ。


口が開かなくて、どうしようもないのにどうしようと考えた。

こういう時に私は、何をするのが正解なんだろう。


「あっ。そうだよね!相手の名前を聞く時は、自分から名乗らないとね。私は湊のくんの…」

「ごめん、俺ら急いでるから」


女の子の自己紹介を遮って、隼人がそう言う。

これっぽっちも急いでないのにね。

変なの。


でも少し助かったりした。

自己紹介の続きは聞きたいのに、聞きたくない。


彼女は湊の何なのか。

私の勘が当たりそうで仕方ない。


「そっかぁ。ごめんね、引き止めちゃって。4人ともバイバイ!」


女の子は表情こそ眉を下げたけれど、全く悪びれがなさそうで、余計に胸を締め付ける。


別れがあっさりとし過ぎなのが、気になる点だった。




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