孤独なシンデレラに永遠の愛を捧ぐ。
「あ〜、ちょっとだけ嘘ついたかも。確に湊くんに会いにも来たんだけどね。一番の目的は違うの」
こういう時、嫌な予感程当たるってことを、私は知っている。
いい予感なんて全然当たらないのに、寧ろ"いいこと"を予感することは少ないのに。
"悪いこと"はたくさん予感して、たくさん命中させる。
「今日は、その子とお話したくて」
ほら、今だって命中させた。
湊の"婚約者"は私を指して、にこりと笑った。
その笑顔に何故か恐怖を感じた。
「あっちに良い雰囲気のカフェがあるからそこでお話したいの。ダメかな?」
彼女は可愛らしく首を傾げ、甘い匂いを漂わせる。
「いいですよ」
私はそれに負けじと、お得意の完璧な微笑みを見せてやる。
可愛さという点では完全に私の敗北なのだけど。
「佳穂は拓たちを待って、一緒に帰ってね」
さすがに佳穂をひとりで帰すわけにはいかないので、そう告げて女の子について行った。