孤独なシンデレラに永遠の愛を捧ぐ。


「あ〜、ちょっとだけ嘘ついたかも。確に湊くんに会いにも来たんだけどね。一番の目的は違うの」


こういう時、嫌な予感程当たるってことを、私は知っている。

いい予感なんて全然当たらないのに、寧ろ"いいこと"を予感することは少ないのに。

"悪いこと"はたくさん予感して、たくさん命中させる。


「今日は、その子とお話したくて」

ほら、今だって命中させた。


湊の"婚約者"は私を指して、にこりと笑った。

その笑顔に何故か恐怖を感じた。


「あっちに良い雰囲気のカフェがあるからそこでお話したいの。ダメかな?」

彼女は可愛らしく首を傾げ、甘い匂いを漂わせる。


「いいですよ」

私はそれに負けじと、お得意の完璧な微笑みを見せてやる。

可愛さという点では完全に私の敗北なのだけど。


「佳穂は拓たちを待って、一緒に帰ってね」

さすがに佳穂をひとりで帰すわけにはいかないので、そう告げて女の子について行った。



< 193 / 250 >

この作品をシェア

pagetop