孤独なシンデレラに永遠の愛を捧ぐ。


店員さんが厨房の奥に消えると、実波さんは私に向き直りじっと私の目を見つめる。


「ね、湊くんってカッコイイと思わない?」

「…は?」


唐突にされた質問に、驚きを隠せなかった。

今の私にとってそれは、爆弾でしかない。


「私は世界一カッコイイと思ってるんだ!我ながら良い婚約者捕まえたなって思うの」

「…そう、ですね」

「湊くんとは昔からよくパーティーとかでお会いしてたんだけど、私は一目惚れでね、ずっと片思いしてたんだぁ」

「……、」

「だから婚約者になったときは死ぬほど嬉しくて…、今はすっごく幸せっ!」


グサリと、彼女の言葉が胸に刺さる。

どうしても、真っ黒の汚い感情が出てくるのを抑えきることはできなかった。

彼女から溢れ出るふわふわとしたピンクのオーラのせいで、余計に私が汚れているように思えた。



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