孤独なシンデレラに永遠の愛を捧ぐ。


ギャルたちに連れられてやって来たのは人通りの少ない校舎裏。

ドラマかよ、とツッコミたくなるシチュエーションに少し笑えた。


「単刀直入に言うけど、アンタ湊様たちのなんなの?」

「"なんなの"と言われましても…、」

「まさか3人のうちの誰かと付き合ってるとか言うんじゃないでしょうね」

「そんなわけないじゃないですか」

即答すれば、ギャルたちはあからさまに安堵の表情を見せた。

単純だな。


「じゃあ、もう三人組には近づかないで。気安く近づいちゃいけない人たちなんだから」

なにそれ。

アンタたちが勝手に作ったルールでしょ、それ。

そんな距離を置かれて、湊たちが可哀想。


だけど、私が近づいちゃいけないってのは、私もそう思ってる。


「たとえ高野さんでもね。私たちから湊様を奪い取るのは許さない」

ギャルたちは凄い剣幕で私を睨むけど、それを私に言ったってしょうがない。


だって、湊には婚約者がいるんだから。

私じゃなく、実波さんっていう、可愛い婚約者が。


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