孤独なシンデレラに永遠の愛を捧ぐ。


でも、

「ユア。怪我とかない?」

優しい声音ですぐ現実に戻された。


「ない。大丈夫」

私は少し湊を見て、それから逸らした。

だって今湊を見たら、鼻の奥がツーンとして今にも涙が出そうだ。


「そっか」

そうやって安心したみたいな声をするから、また私は湊に甘えちゃうじゃん。

だから嫌なんだ。


「なんで此処にいるってわかったの?」

「それは、隼人が」

「…隼人?」

「隼人が教えてくれたから。ユアが連れてかれたって」

隼人が…。

心配してくれたのかな。


「…ムカつく」

「は?」

「俺が一番に気付きたかった」

「……、」

「俺が一番に気付いて助けたかった。そしたらユアの頭の中を俺だけに出来たのに」


ほら、そういうところ。

そういうところだよ。

私が勘違いしちゃいそうになる、思わせぶりなところ。


< 208 / 250 >

この作品をシェア

pagetop