孤独なシンデレラに永遠の愛を捧ぐ。
少し話すと、全部話してしまいそうで、此処を去るという気持ちが揺らぎそうだから。
「そろそろ帰るね」
「えっ、もう?」
「うん。今日は帰ってやることがあって」
引越しの準備とかね。
「次はいつ来れそう?」
「うーん。まだわからないな」
「結愛ちゃんも忙しいもんね。私、待ってる!」
「ごめんね」
「いいのいいの!けど、なるべく早くね。待ちくたびれちゃうから」
「…うん」
嘘ばっかり。
もう来れないのに。
「ユア、送る」
「いい」
「は?」
「今日は迎えが来るから」
キッパリ断ると、納得がいかないという顔をする湊。
勿論、迎えが来るというのは嘘だ。
湊。湊が優しくするべき相手は違うんだよ。
私じゃないんだよ。
本当にこうやって言えたらどれ程良かっただろう。