孤独なシンデレラに永遠の愛を捧ぐ。


「じゃあね」

「おい、」

「何?」

「また今度な」

「…さよなら」


私は、湊に"また今度"とは言えなかった。



外はまだ雨が降っていた。

シトシトと振り続ける。


私は持ってきていたビニール傘を溜まり場に置いたまま歩き出した。


雨粒が私を濡らしていくけど気にしない。

真っ直ぐ、家へ向かって歩いていく。


気付けば、頬を雨が涙かわからない雫が伝っていた。


"愛"なんて存在しない。

そんなの嘘だった。

私は、愛ってものを知らなかったから。

信じるのがただ怖かった。


本当はもうわかってるよ、愛ってもの。

湊たちを見てわかったもの。


これが、此処から去ることが、私の愛の形なんだよ。


嘘つきで自分勝手な私をどうか許してください。



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