孤独なシンデレラに永遠の愛を捧ぐ。


この二人、本当に付き合ってるんだ。

決して疑っていた訳では無い。

でもそれを目の当たりにすると、思うことがある。


仲間がイチャイチャしているのにあとの二人、逢坂 湊と成宮 隼人は心底興味なさげにボーッとしていて、逢坂 湊に至っては欠伸を零している。

私も同じく興味ないけど。


「じゃ、帰るね」

そう言って踵を返すと、香川 佳穂がちょっと待って、と言わんばかりに飛びついてきた。

「もう行くの?」

「友達になったら出してくれるんでしょ?私、忙しいから」

「そっかあ…」

眉を下げる彼女をふと見て、私らしくなく少し申し訳ない気持ちなった。


「隼人、送ってあげてよ」

思わぬことを九条 拓が言う。

言われた成宮 隼人はあからさまに顔を歪め、舌打ちをする。


「一人で帰れますけど…」

そうっと提案を持ちかけてみたけど、すぐに却下されることになった。


「僕らといたということが知られている今、万が一があるからね。隼人に送ってもらって」


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