孤独なシンデレラに永遠の愛を捧ぐ。


「本当に知らなかったんですか?」

「だから知りませんでしたって」

「あれだけ学校で噂があるのに…驚きです」


なんだこの人。

みんながみんなあなたたちのこと知ってるんなんて、そんなことあるわけないのに。

どんだけ自意識過剰なんだよ。

確かに噂は腐る程あるみたいだけど、私は噂なんて信憑性のないものを信じる質じゃない。


「まあ、実際高野さんの方が学力的には上ですし、教えてくれるのなら教えてあげてください」

九条 拓はにこりと笑顔で言う。

だけどその目は笑っていないように見えて、私には恐怖すら感じた。

その目で私の心は見透かされているみたい。


「わかりました」


復習にもなるから別にいいか、と私は要求を受け入れた。


「じゃあ結愛ちゃん、こっちー!」

通常の家だったらダイニングルームと呼べるスペースに腕を引っ張られ、ダイニングテーブルのイスに座らさせれる。


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