孤独なシンデレラに永遠の愛を捧ぐ。


今更羨ましいなんて感情は湧かないけれど、やっぱり一緒にいたくない。

自分の存在が掠れていく。


「ねえ、私のこと"結愛"って呼ぶの、やめてくれない?」

「へっ?なんで?私に呼ばれるの嫌?」

「そうじゃなくて…自分の名前が嫌いなの」

今まで学校ではずっと"高野さん"って呼ばれていた。

なぜなら私が名前で呼ぶことを誰にも許さなかったからだ。

なのにこの人と関わってからたくさん呼ばれる私の名前。



ユアちゃんユアちゃんユアちゃん…



その言葉が呪縛となり、私を苦しめている。

正直うんざりしていた。


「どうして嫌いなの?」

「どうしてって…」

「だって"ユア"ってとっても素敵な名前じゃない」

「……、」


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