孤独なシンデレラに永遠の愛を捧ぐ。
素敵?
どこが?
大嫌いだもの、この名前。
「"ユア"って愛を結ぶって書くでしょ?」
「そうだけど」
「私が思うに、愛って人を結ぶことができると思うんだ。それってとっても素敵なことじゃない?」
「…意味がわからないんだけど」
「だからね、結愛ちゃんには愛で人を結ぶことができる人だと思うの」
「そんなの、できないよ」
だって、愛の存在なんて信じてない。
「できるよ。名前にはそういう不思議なチカラがあるんだから!」
「…ごめん。私、そういうの信じない」
「結愛ちゃんが信じなくても、私が信じてる!」
この子には日本語が通じないなってつくづく思う。
だけど少し、ほんの少しだけ彼女の言っていることがわかる気がして。
でもそれが嫌で。
私の見苦しいプライドが許さなくて。
私は静かに首を振った。