孤独なシンデレラに永遠の愛を捧ぐ。
「じゃあ、勉強しよう」
「はあ…勉強、嫌だなあ」
「香川さんが頼んできたんでしょ」
「あ、"香川さん"って呼んだあ!」
「まだ気が向いてないから」
「ちぇー」
頬をぷくっと膨らませて不貞腐れる香川 佳穂。
ほら、脳内では"香川 佳穂"ってフルネームで呼んでいる私が下の名前で呼ぶ日が来るなんて到底思えない。
そこまで親しくなることなんてないと思う。
今のところそういう予定はない。
「ここの問題から解いてみて」
「げ。ここ私が嫌いな単元だよ」
「なら尚更よかったじゃない」
「うっ」
とりあえず今は勉強をして、勉強のことで頭をいっぱいにして、他のことはなんにも考えないようにしよう。
なんにも考えたくない。
さあ、勉強を始めよう。