孤独なシンデレラに永遠の愛を捧ぐ。
Ⅴ.溜まり場
翌日。
私はまた彼らの溜まり場に来ていた。
もちろん遊びに来たのではない。
香川 佳穂に勉強を教えるためだ。
「ゆーあちゃん!勉強の前にケーキ食べよ!」
「…ケーキ?」
「甘い物、嫌い?」
「いや、別にそういうわけじゃないけど」
「じゃあ食べようよ!勉強するには糖分が必要なんだよ!」
私の腕をグイグイ引っ張り、テーブルに座らせた香川 佳穂は、高そうなカットケーキを箱から取り出した。
「いちごのショートケーキか、マンゴームースのケーキ、どっちがいーい?」
「…いちご、かな」
「了解!はい、どうぞー!」
彼女は私に満面の笑みを浮かべていちごのショートケーキを私に差し出す。