孤独なシンデレラに永遠の愛を捧ぐ。


「でも、塾なら仕方ないか。学年トップなのに塾なんて行くんだね」

「将来がもう決まっているから」

「ふうん」


大学に行くため、と入った塾。

国公立大学に行きたかったから、教科書重視の塾に通っている。

おかげで、学校では教えてくれなかった解き方を教えてもらったり、結構良い塾に入ったと思う。

お義母さんに頼み込んで入った塾だから失敗なんて出来なかった。

もしその塾が合わなくて、他の塾に変えたいとか、辞めたいとか言ったらまた機嫌を損ねさせていたかもしれない。


「だけどさ、明日は会えないなんて寂しいよ。塾終わってからとか、ダメ?」


香川 佳穂はお得意の小首を傾げて、やや上目遣いで尋ねてきた。


< 61 / 250 >

この作品をシェア

pagetop