孤独なシンデレラに永遠の愛を捧ぐ。
「でも、塾なら仕方ないか。学年トップなのに塾なんて行くんだね」
「将来がもう決まっているから」
「ふうん」
大学に行くため、と入った塾。
国公立大学に行きたかったから、教科書重視の塾に通っている。
おかげで、学校では教えてくれなかった解き方を教えてもらったり、結構良い塾に入ったと思う。
お義母さんに頼み込んで入った塾だから失敗なんて出来なかった。
もしその塾が合わなくて、他の塾に変えたいとか、辞めたいとか言ったらまた機嫌を損ねさせていたかもしれない。
「だけどさ、明日は会えないなんて寂しいよ。塾終わってからとか、ダメ?」
香川 佳穂はお得意の小首を傾げて、やや上目遣いで尋ねてきた。