孤独なシンデレラに永遠の愛を捧ぐ。


私はふいっと目を逸らす。


「無理だね。終わるの遅いし、真っ直ぐ家に帰らないといけないから」

「そっか。次、会うのは明後日…。そうだ!またおやつ用意しとくね!」

「しなくていいよ」


だって明後日はもうここに来るかわからない。

私の気が向かないかもしれないし、あの"三人組"から出禁を食らうかもしれない。

要するに未来は何が起こるのかわからないのだ。

だから私は約束なんて滅多にしない。


「明後日、絶対に来てね。約束!」


なのに、香川 佳穂は私の心を読んで嫌がらせかと思うぐらい私を振り回す。


「…わかった」

私は微かに口角を上げ、作り笑顔を見せた。

すると彼女は眉を下げて、らしくない大人しい笑顔を返した。


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